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【富士五湖ウルトラマラソン】

  • toridori
  • 5月1日
  • 読了時間: 6分

この話は直接ハミングバードの話ではないので、ブログに載せるか考えましたが…  

書く事にしました!


ハミングバードの職員と、他の事業所の利用者と職員の6名でトライアスロン部を結成しています。

「やればできる子」と言う意味で「YDK」という名です。

結成してから、何年だろう。

もうすぐ10年くらいでしょうか。


コロナ禍以前は昭和記念公園で行われる、アクアスロン大会(run3km、swim1kmくらい)などの小さなものから参加し、千葉の富津市のアクアスロン大会や湘南地区の大会など、

毎年2大会くらいの頻度で、様々な大会へ遊び半分で出場していました。

トライアスロン部と言っても、誰もロードバイクも持っていないので、2種目のアクアスロン大会かマラソン大会へ出場するなどしていました。


コロナ禍となり、集まることも減りそれぞれの活動が好きな?種目へと偏り、

最近は全員で一緒に大会へ出ることも無くなってきていました。

最後は3名でフルマラソンに参加し、完走したのが…2年前くらいだったでしょうか。



そんな中、他事業所の利用者、永〇さん(46歳男性)はランニングを継続していて

近年、フルマラソン大会に年1ペースで参加していました。

昨年は何と!

「富士五胡ウルトラマラソンの100kの部」へ出場し

各所に配置されている、関門(遅い人をリタイアさせる場所)の中盤辺りで引っ掛かり、

リタイアとなりました。

そのことが悔しかった、と本人は話してましたが、

周りは当然とばかりに聞き流していました。



そして、彼は「リベンジする!」と

今年は2025年4月20日【富士五胡ウルトラマラソン120km(最長の部)】へ参加しました。


コース内容が一部被る「富士山マラソン(42.195km)」には、みんなで参加したこともあるので、

アップダウンがあり辛かったなど様々な記憶があります。


昨年100k大会出場時の辛かった思い出を聞いていたので、

マネージャーとして僕が送り迎えを立候補しました。


彼は昨年、車の免許が無いために、一睡もせず夜行バスで大会へ行き

真夜中に到着して、スタート地点まで雨天の中知らない土地を2時間近く歩き

コンビニでレインコートを買って、着て、走って。

他の参加者に「あつくないそれ??」って言われたりしながら、途中の関門でリタイヤしました。


そりゃそうなるよ!と言いたくなります。



今年は、当日。

夜中12時に迎えに行くと、


やはり「一睡もしていない」と。


気持ちはわかります。高ぶるものですし、病気もあるし、仕方ないか、と。



現地について、彼を夜中2時にスタート地点に降ろし、あまりの眠さに僕は寝てしまいました。


起きたら8時でした。

スタートが4時なので、スタートから4時間経過。

最悪リタイアしててもおかしくない時間です。

車で探しますが、大会は様々な距離の参加者がいるので、

永〇さんを探しだすのに1時間近くかかりました。


やっと探したら、彼は元気!



50kmを5時間ほどで走っていました!

この時点で、既にフルマラソンを超えています。

ちょっと、感動しました。

しかし、ランニングフォームを久しぶりに見て、

「やっぱダメだな。完走は無い」と確信しました。


天気は良く。

前半は本人もノリノリで答えてくれるので面白かったです。


第5関門(90km付近)辺りから

笑顔が消えました。


ここから先は、関門を時間内に通れるかが、ポイントとなります。


終盤は10k間隔くらいで関門があります。


永〇さんはランナーが必須のランニングウォッチなどを持ってないので

ただずっと…

【頑張って走る!止まらない!】のストロングスタイルなのです。


ランニングウォッチを貸そうか、と言うと

「使い方わかんねー」

日焼け止め貸そうか、と言うと

「使ったことないからーいらねー」

ランナー用の帽子もありません。

明らかに、他のランナーと一線を画すそのランニングスタイルが

この辺りから「すごいランナーだ!カッコ良い!!」と感じてきました。


彼は、いつかの出た大会の参加賞Tシャツ、セイユ―のシャカシャカ長ズボン、ただの黒いスニカーで走っています。


他のランナーは数万円の装備が当たり前です。

なのに、他のランナーたちと遜色なく競っています。



そして、何と100kmを超え、最後の第7関門まであと11km!!

95分以内で走り切れば通過可能という状況になり、僕の応援も本気に!


しかし。ここま来て、まさかの事実がわかるのです。


とても辛そうなので、声をかけると、

「喉が渇いた」「何か飲みたい」


もうすぐ給水ポイントがあるから頑張って!と声をかけ、

給水ポイントで彼を眺めていたら…


何とっ!!!

彼はポケットからボロボロの紙コップを取り出して、水汲んで飲んでるではないですかっ!!!!!!

(ランナーは近年マイボトル持参となる大会がほとんどなのです)




ランナーは走っている最中喉が渇くので、みんなマイボトルやペットボトルなどを利用し

ランニング中、水分補給しているのです。

そんなのは、当たり前の当たり前で、走ってない人でも大事なことだと分かります。

まさかの光景に怒りすら湧いてきて、


急いで自販機へ走り、ポカリを渡しました。

「重かったら中身を捨ててね」と。

5分ほどして

見かけると「もう一本!」と言われ、

水しかないよ、と水のボトルを渡しました。


こんなランナーがいるのか??

様々なスタイルのランナーがいますが、こんなスタイルの人いる?

これは精神疾患関係あんの???

何なんだこの人は、と出会って20年。改めて驚きました。


この第7関門がなかなかの強敵で、

残り5百メートルくらいが坂道で、辛そうで辛そうで…

残り10分切り…



空のペットボトルをみてポカリを渡したら

「甘いの飲めない!水っ!」と言われ

ダッシュでコンビニで水を買って店を出たら、

坂の先に行っていたので

僕も猛ダッシュで追いついて水を渡しました

「急げーあと5分登り切れー走れー」と応援!

マネージャー冥利に尽きました。


「人を応援して幸せを感じる」とはこの事か、と。

学び多き一日です。


急いで車に乗り込み

第7関門を通り、見てみると…



何と!

通過しているではないですかー!



しかし、120kmのウルトラマラソン。

関門は通過出来ましたが、最後のゴールまで

7.6km(1時間15分)が地獄の地獄でした…。


大会主催者へ怒りの感情を向けたくなるほどの地獄の坂道です。


「えげつない」という言葉がこんなにシックリくる状況ある?!と思える坂道でした。


ここまでくれば奇跡が起こるかも、と期待しましたが、

最後の第7関門を残り数分で通過した彼には、不可能な行程でした。

様々なランナーが坂道へ上がれば上がるほどゾンビのように歩いてしまう…

そんな最悪の「えげつない坂道」でした。


ゴールの公園に先回りし、先頭で待っていましたが

やはり彼は現れず、

YDKのみんなにも、いかに酷い坂道かlineで中継していました。


残り10分を切ったところで、ZARDの「負けないで」が流れてきましたが、

感動したくても、あの坂道は無理だろう、と。




残り9分。








まさかでした。




感動しました。




大声で名前を呼び、ゴールまであと2分くらい!


イケーっと叫び、追いかけました!




みなさん。120kmですよ。



フルマラソン3つ分



本当に信じられなかったです。うそのようでした。



前日寝てないし、水分補給も…装備も身なりも…



思い出して書いてても泣けちゃうくらいかっこよかったです。










何気なく、マネージャーとして参加した僕には

申し訳ないほどの感動でした。


「この瞬間が永〇さんの人生で一番輝いてる!!!絶対ピークだよ!!!!」って





一生のなかでこんな素敵なピークを作れる人が何人くらいいるのかなって思うほど

感動しました。



お疲れさまでした。永〇さん。

疲れて食べれなかったラーメン今度奢ります。



長々すみません。



















 
 
 

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